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この記事について
このブログシリーズでは、注目すべきオープンソースソフトウェア(OSS)を定期的に紹介していきます。第52回となる今回は、大規模言語モデルを活用したツール「Ollama」に焦点を当てます。AI技術が急速に発展する中、開発者や研究者はより効率的にモデルを利用し、カスタマイズする手法を求めています。しかし、モデルの実行環境の構築や、複雑なインタフェースに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
「Ollama」は、ローカル環境で大規模言語モデルを簡単に実行するための軽量で拡張性のあるフレームワークです。手軽にインストールでき、様々なモデルが提供されているため、ユーザーは独自のプロジェクトや研究に必要なモデルを迅速に活用できます。これにより、AI技術を利用したアプリケーションの開発が促進され、さらなるイノベーションが生まれることが期待されます。
本記事では、「Ollama」の機能や使い方を詳しく解説し、開発者や研究者が抱える課題を解決する一助となる情報を提供します。
リンク:https://github.com/ollama/ollama

本コンテンツは、弊社AI開発ツール「IXV」を用いたOSSツール紹介です。情報の正確性には努めておりますが、内容に誤りが含まれる可能性がございますのでご了承ください。
1. Ollamaでできること
Ollamaは大規模な言語モデルを簡単に実行・管理できるオープンソースのツールです。主な機能には以下が含まれます。
- 様々なモデルの実行と管理
- モデルのカスタマイズ
- REST APIを通じたモデルへのアクセス
- マルチモーダルなインタラクションのサポート
- CLIにより簡単な操作が可能
Ollamaは、さまざまな言語モデルを手軽に利用できる環境を提供しており、開発者や研究者が迅速にプロトタイプを作成できるように設計されています。
2. セットアップ手順
Ollamaのセットアップは、利用するオペレーティングシステムによって異なります。以下に各OSごとのインストール手順を示します。
2.1 macOS
macOSの場合は、以下のリンクからダウンロードできます。
– Ollamaダウンロード
2.2 Windows
Windowsユーザーは、次のリンクからインストールファイルをダウンロードできます。
– OllamaSetup.exeダウンロード
2.3 Linux
Linuxでは、次のコマンドを使用してインストールできます。
curl -fsSL https://ollama.com/install.sh | sh
手動でのインストール手順については、こちらのマニュアルを参照してください。
2.4 Docker
Dockerを使用する場合は、公式のOllama Dockerイメージを利用できます。
– Ollama Dockerイメージ
2.5 ライセンスと動作環境
Ollamaはオープンソースとして提供されており、特定のライセンスの下で利用可能です。動作環境としては、以下の要件があります。
– 7Bモデルを実行するには最低8 GBのRAMが必要
– 13Bモデルには最低16 GBのRAMが必要
– 33Bモデルには最低32 GBのRAMが必要
3. 簡単な使い方
Ollamaの基本的な使用方法について説明します。
3.1 モデルの実行
例えば、Llama 3.2モデルを実行するには、以下のコマンドを入力します。
ollama run llama3.2
3.2 モデルのカスタマイズ
モデルをカスタマイズするためには、Modelfileを作成します。以下は、Llama 3.2モデルのカスタマイズ例です。
- Modelfileの作成
FROM llama3.2
PARAMETER temperature 1
SYSTEM """
あなたはスーパーマリオです。マリオとしてのみ答えてください。
"""
- モデルの作成と実行
ollama create mario -f ./Modelfile
ollama run mario
3.3 APIの利用
REST APIを使用してモデルにアクセスすることも可能です。例えば、以下のコマンドでモデルにプロンプトを送信できます。
curl http://localhost:11434/api/generate -d '{
"model": "llama3.2",
"prompt": "空はなぜ青いのか?"
}'
4. 結論
Ollamaは、大規模言語モデルの実行、管理、カスタマイズを容易にする強力なツールです。豊富な機能と簡単なセットアップ手順により、開発者や研究者が迅速にモデルを活用できる環境を提供しています。また、REST APIを通じたアクセスやCLI操作のサポートにより、柔軟な使用が可能です。Ollamaを利用することで、AIの活用を一層進めることができるでしょう。