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この記事について
この記事では、注目のオープンソースソフトウェア(OSS)「Layout-Parser」を紹介します。連載第6回となる今回は、文書画像の解析やテキスト抽出を効率的に行うための統一ツールキットに焦点を当てます。これまで、yomitokuやpaddleOCRなどの文章認識ツールを調査してきた中で、Layout-Parserはその使いやすさと機能性から特に目を引く存在です。
Layout-Parserは、深層学習に基づく強力な技術を駆使しており、豊富なレイアウト検出モデルを提供しています。簡潔なAPI設計により、わずか数行のコードで文書画像の分析が可能となり、開発者や研究者にとって非常に便利なツールです。特に、複雑な文書を扱う際に、その機能が真価を発揮します。この記事を通じて、Layout-Parserの概要やその利用方法について詳しく解説し、このツールを活用する意義をお伝えできればと思います。
リンク:https://github.com/Layout-Parser/layout-parser


本コンテンツは、弊社AI開発ツール「IXV」を用いたOSSツール紹介です。情報の正確性には努めておりますが、内容に誤りが含まれる可能性がございますのでご了承ください。
1. Layout-Parserでできること
Layout-Parserは、深層学習に基づいた文書画像分析のための統一ツールキットです。主な機能は以下の通りです。
1.1 レイアウト検出
Layout-Parserは、さまざまな深層学習モデルを利用して文書のレイアウトを検出します。例えば、以下のコードを用いることで、わずか数行でレイアウト検出を実行できます。
import layoutparser as lp
model = lp.AutoLayoutModel('lp://EfficientDete/PubLayNet')
layout = model.detect(image)
1.2 データ構造とAPI
文書画像分析に最適化されたレイアウトデータ構造を提供し、以下のような操作が可能です。
- 特定のカラムの要素を選択する
- OCR処理を行う
- 検出されたレイアウトの可視化
1.3 データの読み込み
JSON、CSV、PDFなど、さまざまな形式で保存されたレイアウトデータを読み込むことができます。
layout = lp.load_json("path/to/json")
layout = lp.load_csv("path/to/csv")
pdf_layout = lp.load_pdf("path/to/pdf")
1.4 コミュニティとの連携
Layout-Parserはオープンプラットフォームであり、ユーザーはモデルやパイプラインをコミュニティと共有できます。
2. セットアップ手順
Layout-Parserのインストールは比較的簡単です。以下のコマンドを使用して、基本的なライブラリをインストールできます。
pip install layoutparser
特定の機能に応じて追加のパッケージをインストールすることも可能です。
pip install "layoutparser[layoutmodels]" # DLレイアウトモデルツールキット
pip install "layoutparser[ocr]" # OCRツールキット
Detectron2ベースのモデルを使用したい場合は、installation.mdを参照して追加の手順を確認してください。
3. 簡単な使い方
Layout-Parserの使用例として、以下の2つのケースを紹介します。
3.1 テーブルOCRと結果解析
Layout-Parserを使用して文書のOCRを行い、その結果を構造化データに変換する方法があります。具体的な例は、こちらのNotebookで確認できます。
3.2 深層レイアウト解析
複雑な文書の分析や階層構造の処理を行うための深層学習を活用した解析が可能です。詳しい使用法は、こちらのNotebookを参照してください。
4. 結論
Layout-Parserは、文書画像分析に特化した強力なツールキットであり、深層学習モデルを用いたレイアウト検出やデータの処理をシンプルに行うことができます。Apache-2.0ライセンスの下で提供されており、広範囲な機能とコミュニティとの連携を活用することで、文書処理の効率を大幅に向上させることが可能です。興味のある方は、ぜひ公式リポジトリを訪れ、活用してみてください。