[OSS紹介#5]PaddleOCR:文書解析ツール2回目!80以上の言語に対応する高性能OCRで業務効率化を実現

この記事について

この記事では、オープンソースソフトウェア(OSS)の中でも特に注目すべきツールを紹介していくシリーズの第5回として、PaddleOCRに焦点を当てます。前回は日本語特化のOCRツール「Yomitoku」を紹介しましたが、今回はより多言語対応に優れたOCRツールに注目します。文書解析のニーズが高まる現在、OCR(光学文字認識)技術の重要性はますます増しています。特に、複数言語に対応したOCRツールは、多様な利用シーンでの活用が期待されます。

PaddleOCRは、PaddlePaddleに基づく高性能なOCRツールキットであり、80以上の言語の認識が可能です。このツールはデータのアノテーションや合成も行えるため、開発者にとって非常に便利な機能を備えています。さらに、サーバーからモバイル、組み込みデバイス、IoTデバイスまで、幅広い環境でのトレーニングとデプロイメントをサポートしており、軽量かつ実用的なOCRシステムを実現します。

今、文書解析に興味がある方やマルチリンガルな環境での作業を効率化したい方々にとって、PaddleOCRは十分な価値を提供するツールであると言えるでしょう。次の章では、PaddleOCRの具体的な特徴や使い方について詳しく見ていきます。

リンク:https://github.com/PaddlePaddle/PaddleOCR


本コンテンツは、弊社AI開発ツール「IXV」を用いたOSSツール紹介です。情報の正確性には努めておりますが、内容に誤りが含まれる可能性がございますのでご了承ください。

1. PaddleOCRでできること

PaddleOCRは、PaddlePaddleに基づいた多言語対応のOCRツールキットであり、以下の機能を提供します。

1.1 多言語認識

PaddleOCRは80以上の言語をサポートしており、さまざまな言語のテキストを高精度で認識することが可能です。

1.2 データ注釈と合成ツール

データの注釈や合成ツールを提供し、ユーザーは独自のデータセットを簡単に作成でき、モデルの訓練を効率化します。

1.3 トレーニングとデプロイ

サーバー、モバイル、組み込み、IoTデバイスなど、さまざまな環境でのトレーニングとデプロイをサポートしています。これにより、ユーザーは目的に応じた柔軟な運用が可能です。

1.4 先進的なOCRアルゴリズム

テキスト検出、テキスト認識、表形式認識など、先進的なOCR関連アルゴリズムを多数実装しており、業界レベルの精度を実現します。


2. セットアップ手順

PaddleOCRを使用するためのセットアップは以下の手順で行います。

2.1 環境の準備

Python 3.6以上が必要です。まずは、PaddlePaddleをインストールします。以下のコマンドを実行してください。

pip install paddlepaddle

2.2 PaddleOCRのインストール

次に、PaddleOCRをインストールします。以下のコマンドを使用します。

pip install paddleocr

2.3 必要な依存関係の確認

依存関係が正しくインストールされているか確認し、必要に応じて追加パッケージをインストールします。以下のコマンドで依存関係をインストールできます。

pip install -r requirements.txt

2.4 環境の確認

インストールが完了したら、以下のコマンドでPaddleOCRが正しく動作するか確認します。

paddleocr --image_dir path/to/your/image

3. 簡単な使い方

PaddleOCRの基本的な使い方について説明します。

3.1 OCRの実行

以下のPythonコードを使用して、画像からテキストを抽出します。

from paddleocr import PaddleOCR

ocr = PaddleOCR(use_angle_cls=True, lang='japan')  # 日本語の設定
result = ocr.ocr('path/to/your/image.jpg', cls=True)

for line in result:
    for word_info in line:
        print(word_info[-1][0])  # 認識結果を表示

3.2 データの注釈

PaddleOCRでは、データの注釈を簡単に行うためのツールも提供されています。以下のコマンドを使用して、注釈ツールを起動します。

python tools/label.py --image_dir path/to/your/images --output_dir path/to/output

3.3 モデルの微調整

特定のデータセットに対してモデルを微調整する場合は、次のコマンドを使用します。

python tools/train.py --config config.yml

結論

PaddleOCRは、多言語対応の高性能OCRツールとして、さまざまなシナリオでの利用を可能にします。使いやすいインターフェースと豊富な機能を持ち、OCRのトレーニングからデプロイまでを一貫してサポートしています。ぜひ、PaddleOCRを活用して、OCR関連のプロジェクトを加速させてください。詳しい情報や最新のアップデートについては、公式GitHubページを参照してください。