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AIが「当たり前」になった2025年に、エルブズが進む「茨の道」の話
AIの熱狂から1年が経って
2024年の10月。私たちは「IXVプロトタイプ」を世に出しました。私なりの出し方はしましたが、多くの方は知らない、その程度の出し方です。
短い「やりたいこと」を入力するだけで、仕様書や設計書が一瞬で出力されるWebアプリ。当時、私たちの持てる技術、リソース、そして情熱のすべてを詰め込んだプロダクトでした。
「これからの開発はこう変わるんだ」「もう面倒なドキュメント作成から解放されるぞ」
私たちはそう方々で煽り、未来を語ってきました。昨日のことのように思い出します。
そして、それは、それで良かったのです。
変わることを伝えたのは、私の大切な人たちばかり。その人たちのきっかけになればいいと思っていました。
2025年、AIは「日常」になった
そして迎えた2025年。この1年は、間違いなくAIの歴史的なターニングポイントでした。
AIは、もはや一部のギークのための特別なものではありません。誰もが当たり前に使いこなす「コモディティ(日用品)」となりました。素晴らしい時代です。多くの人がAIを使い、信じられないスピードでいろいろなものを生み出し始めました。
ビジネスとしてのハードルは劇的に上がりました。「AIを使っている」だけでは、もう誰も振り向きません。AIが日常になれば、AIの価値は暴落します。
正直に言えば、我々のIXVにとっても、ビジネスとして成立させるには極めて厳しい状況になっています。「プロトタイプすごいね」と言ってくれていた人たちも、今では自分自身で同じようなことができるようになっているのですから。
なぜ、あえて厳しい道を行くのか
逆風が吹き荒れる中でも、私たちは、準備を進めた2025年でした。
事業計画では、2026年の初頭に「IXV OpenBeta」をリリースするとなっています。
とある方からは、「なぜ、あえて今、そんな厳しい道を行くのか?」「趣味ですか?」となかなか手厳しい質問を問われることもあります。合理的な経営判断としては、それが正解なのかもしれません。
でも、私たちの答えはシンプルです。
厳しい道を歩まなければ、本当に良いアイデアは生まれないし、質の高い成功体験も得られないから。
コモディティ化したAIをただ組み合わせただけのサービスなら、何かを楽に作れるかもしれません。でも、それでは壁を越えられない。
楽な道を選んでそこそこの結果を得るよりも、高い壁に挑んで、泥だらけになりながら、血の通った「本物のプロダクト」を世に出したい。それが、私たちがここにいる理由だからです。
失敗する可能性があっても、そこにしか道はないというのが私の本音です。
今年度、最後の勝負
IXV OpenBetaの開発。これが、今年度 事業計画で、やり残した私たちの最後の勝負です。
残されたリソースは限られています。決して潤沢ではありません。
燃えているか?というと、あまりそういう気持ちはありません。
やるぞという気持ちよりも、なんだか静かな気持ちです。
持てるリソース、時間、知恵、そのすべてを、この一点に、淡々と、普通に、これまで通り、注ぎ込みます。
1年前に「開発が変わる」と言いました。そして変わりました。
今年度やり残したことを、淡々と、普通に、これまで通り、最後まで走り続けます。
成功するか、失敗するか、どのような結果になっても皆さんにお見せします。