[OSS紹介#62] Playwright MCP:開発者の作業を革新するブラウザ自動化ツールのご紹介

この記事について

この記事では、オープンソースソフトウェア(OSS)の中でも特に注目される「Playwright MCP」を紹介します。OSSツール紹介ブログの連載第62回目として、開発者の作業効率を向上させるための強力なブラウザ自動化ツールに焦点を当てます。

Playwright自体の紹介はこちらの記事で行います。

近年、ブラウザを介しての操作を自動化するニーズはますます高まっていますが、従来の方法では視覚モデルを使ったスクリーンショットに依存しているケースが多く、柔軟性や透過性に欠けることがありました。そこで登場したのが「Playwright MCP」です。このツールは、従来の視覚的アプローチに代わり、構造化されたアクセシビリティスナップショットを使用してウェブページと対話することを可能にします。

Playwright MCPは高速度かつ軽量で、視覚モデルを必要とせず、まさに大規模言語モデル(LLM)フレンドリーな設計になっています。このツールによって、開発者は曖昧さを排除でき、高い信頼性を持って自動化タスクを実行できるようになります。これにより、特にUIテストやウェブアプリケーションの操作自動化など、さまざまな場面での活用が期待されます。開発者たちの生産性を向上させる可能性を秘めたこのツールについて、詳しく見ていきましょう。

リンク:https://github.com/microsoft/playwright-mcp


本コンテンツは、弊社AI開発ツール「IXV」を用いたOSSツール紹介です。情報の正確性には努めておりますが、内容に誤りが含まれる可能性がございますのでご了承ください。

1. Playwright MCPでできること

Playwright MCPは、ブラウザ自動化機能を提供するモデルコンテキストプロトコル(MCP)サーバーです。このツールは、Playwrightを利用して、構造化されたアクセシビリティスナップショットを通じて、LLM(大規模言語モデル)がウェブページとインタラクションできるようにします。以下は、Playwright MCPの主要な特徴です。

  • 高速かつ軽量で、ピクセルベースの入力ではなくPlaywrightのアクセシビリティツリーを利用しています。
  • LLMに適した設計であり、視覚モデルを必要とせず、純粋に構造化されたデータに基づいて動作します。
  • スクリーンショットに基づくアプローチに共通するあいまいさを回避できる決定論的なツールアプリケーションです。

2. セットアップ手順

Playwright MCPを使用するための環境を整えるには、以下の要件を満たす必要があります。

  • Node.js 18以降
  • VS Code、Cursor、Windsurf、Claude Desktopまたは他のMCPクライアント

2.1 サーバーのインストール

まず、MCPサーバーをクライアントと一緒にインストールします。一般的な設定は以下の通りです。

{
  "mcpServers": {
    "playwright": {
      "command": "npx",
      "args": [
        "@playwright/mcp@latest"
      ]
    }
  }
}

VS Codeを使用する場合は、CLIから以下のコマンドでインストールできます。

code --add-mcp '{"name":"playwright","command":"npx","args":["@playwright/mcp@latest"]}'

CursorやWindsurf、Claude Desktopなど、他のクライアントでも同様に設定が可能です。

2.2 設定ファイルの利用

Playwright MCPサーバーは、JSON形式の設定ファイルを通じて構成できます。コマンドラインオプションで設定ファイルのパスを指定します。

npx @playwright/mcp@latest --config path/to/config.json

設定ファイルには、ブラウザのタイプ、サーバーのポート、ホストの設定などを含めることができます。Playwright MCPサーバーはさまざまな設定オプションをサポートしており、これによりカスタマイズが可能です。

3. 簡単な使い方

Playwright MCPを使用してブラウザ自動化を行う際の基本的な操作は以下の通りです。

3.1 ブラウザの操作

  • ページ遷移:指定したURLにナビゲートします。
  • クリック操作:ページ上の要素をクリックします。
  • テキスト入力:指定した要素にテキストを入力します。

これらの操作は、以下のように呼び出します。

{
  "action": "browser_click",
  "element": "ボタンの説明",
  "ref": "対象要素の参照"
}

3.2 スナップショットの取得

ページのアクセシビリティスナップショットを取得するには、次のようにします。

{
  "action": "browser_snapshot"
}

3.3 ファイルのアップロード

ファイルをアップロードするには、以下のように指定します。

{
  "action": "browser_file_upload",
  "paths": ["ファイルのパス"]
}

4. 結論

Playwright MCPは、ブラウザ自動化において非常に強力なツールであり、特にLLMとの連携においてその真価を発揮します。構造化されたデータに基づくインタラクションにより、従来の視覚モデルに依存せず高いパフォーマンスを実現しています。多様なクライアントに対応しており、簡単にセットアップできるため、ブラウザ自動化を行う開発者にとって非常に有用な選択肢と言えるでしょう。また、ユーザーはスナップショットモードとビジョンモードのどちらかを選択して操作を行うことが可能で、ニーズに応じた柔軟な利用ができます。