[OSS紹介#35] tavily-mcp:AIアシスタントを強化するMCPの新たなツールを紹介

この記事について

この記事では、オープンソースソフトウェア(OSS)の一環として、全く新しい技術である「tavily-mcp」を紹介します。この記事は、最近のMCP(Model Context Protocol)をテーマにしたシリーズの第2回であり、前回はBrave Searchについて取り上げました。MCPは、AIシステムとデータソースをシームレスに接続し、より効率的な情報取得を可能にする新しい標準です。

「tavily-mcp」は、特にAIアシスタントとの連携を強化するために設計されたツールで、リアルタイムでのウェブ情報アクセスやデータ抽出、ウェブクローリングを実現します。これにより、ユーザーは特定のドメインに特化した検索やデータ収集が行えるようになり、情報の効率的な取得が促進されます。

本記事を通じて、tavily-mcpの機能や利用方法、実際の活用事例に焦点を当て、このツールがどのようにあなたの情報収集や作業効率化に役立つかを探ります。技術の進化に伴うこれらのツールを理解し、活用することは、今後のデジタル環境での成功につながるでしょう。

リンク:https://github.com/tavily-ai/tavily-mcp


本コンテンツは、弊社AI開発ツール「IXV」を用いたOSSツール紹介です。情報の正確性には努めておりますが、内容に誤りが含まれる可能性がございますのでご了承ください。

1. Tavily MCPでできること

Tavily MCP(Model Context Protocol)は、多様なデータソースやツールとのシームレスな相互作用を可能にするオープンスタンダードです。このプロトコルは、AIシステムが安全かつ双方向に接続できるように設計されています。

Tavily MCPは、以下の機能を提供します:

  • 検索、抽出、マッピング、クローリングツール: Web上の情報をリアルタイムで検索し、データを抽出するためのツール群。
  • tavily-search: 高度な検索機能を持ち、リアルタイムでWeb情報を取得。
  • tavily-extract: Webページからのインテリジェントなデータ抽出を実現。
  • tavily-map: Webサイトの構造化マップを作成する強力なツール。
  • クローラー: システマティックにWebサイトを探索するための機能。

これにより、AIアシスタントは最新の情報を迅速に取得し、ドメイン特化型の検索機能を利用することができます。

2. セットアップ手順

2.1 必要な前提条件

セットアップを始める前に、以下のものを用意してください:

Tavily APIキー: こちらで無料アカウントを登録し、APIキーを取得します。

Claude DesktopまたはCursor: AIアシスタント用のクライアント。

Node.js: バージョン20以上が必要です。インストール済みかは、次のコマンドを使って確認できます。

node --version

Git: Gitのインストールが必要です(Gitインストール方法はOSによって異なる)。

2.2 Tavily MCPサーバーのインストール

NPXを使用する場合

npx -y tavily-mcp@0.2.1

Smitheryを利用する場合

Claude Desktop用にTavily MCPサーバーを自動的にインストールします。

npx -y @smithery/cli install @tavily-ai/tavily-mcp --client claude

2.3 MCPクライアントの設定

Tavily MCPサーバーを利用するためには、以下のクライアントを設定する必要があります。

VS Codeの設定

VS Codeのユーザー設定(JSON)ファイルを開き、次のJSONブロックを追加します。

{
 "mcp": {
   "inputs": [
     {
       "type": "promptString",
       "id": "tavily_api_key",
       "description": "Tavily API Key",
       "password": true
     }
   ],
   "servers": {
     "tavily": {
       "command": "npx",
       "args": ["-y", "tavily-mcp@0.2.1"],
       "env": {
         "TAVILY_API_KEY": "${input:tavily_api_key}"
       }
     }
   }
 }
}

Clineの設定

  1. Clineを開き、MCPサーバータブに移動します。
  2. “Tavily”を検索し、インストールします。
  3. プロンプトが表示されたら、Tavily APIキーを入力します。

Cursorの設定

  1. Cursorの設定で「MCPサーバー」タブに移動します。
  2. “+ Add New MCP Server”ボタンをクリックし、必要な情報を入力します。

2.4 Gitによるインストール

リポジトリをクローンします。

git clone https://github.com/tavily-ai/tavily-mcp.git
cd tavily-mcp

依存関係をインストールします。

npm install

プロジェクトをビルドします。

npm run build

3. 簡単な使い方

Tavily MCPを設定したら、次にClaude Desktopや他のクライアントでの利用方法について説明します。

3.1 Claude Desktopでの利用

Claudeを起動し、画面左下にあるハンマーアイコンをクリックします。これにより、利用可能なMCPツール(tavily-searchやtavily-extract)が表示されます。

Tavily Searchの例

Claude Desktopアプリで以下のように質問することで、tavily-searchを利用できます。

最近の量子コンピューティングの進展について検索してください。

Tavily Extractの例

ウェブページからデータを抽出するには、次のようにリクエストします。

この記事の主な内容を抽出してください: https://example.com/article

3.2 検索と抽出の組み合わせ

複雑なタスクを実行するために、検索と抽出を組み合わせることもできます。

最近のAIスタートアップに関するニュース記事を検索し、各記事の主要なコンテンツを抽出して詳細なレポートを生成してください。

結論

Tavily MCPは、AIシステムがWeb情報にリアルタイムでアクセスし、強力な検索とデータ抽出の機能を提供します。このツールを利用することで、ユーザーはより効率的に必要な情報を取得できるようになります。セットアップも比較的簡単で、VS CodeやCline、Cursorなど多様なクライアントと連携可能です。今後のプロジェクトにぜひ活用してください。