[OSS紹介#36] Context7 MCP:最新情報を瞬時に取得し開発効率を向上させるツール

この記事について

この記事では、オープンソースソフトウェア(OSS)を通して開発者の生産性を向上させるツールを定期的に紹介しています。今回の記事はシリーズの第36回目であり、前回は「tavily-mcp」について取り上げました。これに続く今回の焦点は、「Context7 MCP」です。

開発者が日々の業務で直面する課題の一つは、ライブラリやAPIの情報が古くなりがちであることです。この問題は特に、迅速な対応が求められる開発現場においては大きな障害となります。そこで、「Context7 MCP」は、最新のバージョン特化のドキュメントとコード例を提供し、開発者が必要とする情報を的確に引き出すことを目的としています。これにより、開発者はコーディング時に迅速かつ正確に必要な情報を取得でき、作業の効率化が図れます。

今回の記事では、この「Context7 MCP」の機能や導入方法について詳しく解説し、その活用法を示すことで、しっかりとした開発基盤を築く手助けをしたいと考えています。開発の現場で「Context7 MCP」を活用することで、どのように生産性を向上させることができるのか、その具体的なメリットをお伝えします。

リンク:https://github.com/upstash/context7


本コンテンツは、弊社AI開発ツール「IXV」を用いたOSSツール紹介です。情報の正確性には努めておりますが、内容に誤りが含まれる可能性がございますのでご了承ください。

1. Context7 MCPでできること

Context7 MCPは、プログラミングにおける最新のライブラリのドキュメントやコード例を即座に取得できるMCPサーバーです。このツールは、以下のような機能を提供します。

  • アップデートされた情報の取得: LLM(大規模言語モデル)が使用するライブラリに関する最新かつバージョン特有のドキュメントを取得できます。これにより、従来の古い情報に依存することなく、正確なコード例を得ることができます。
  • 自然なプロンプト作成: ユーザーは自然な文でプロンプトを作成し、use context7と追加することで、最新の情報を反映したコード回答を得ることができます。
  • タブの切り替え不要: ドキュメントをタブで切り替えたり、存在しないAPIに悩まされたりすることなく、スムーズに作業を進めることができます。

2. セットアップ手順

2.1 必要な環境

Context7 MCPを使用するためには、以下の環境が必要です。

  • Node.js >= v18.0.0
  • Cursor、Windsurf、Claude DesktopなどのMCPクライアント

2.2 Smitheryを使ったインストール

Claude Desktop用のContext7 MCP Serverを自動的にインストールするには、以下のコマンドを実行します。

npx -y @smithery/cli install @upstash/context7-mcp --client claude

2.3 Cursorでのインストール

Cursorの設定メニューからMCPサーバーを追加します。次の設定をCursorの~/.cursor/mcp.jsonに追加することを推奨します。

{
  "mcpServers": {
    "context7": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@upstash/context7-mcp"]
    }
  }
}

2.4 Dockerでの実行

Dockerを使用してMCPサーバーを実行する場合、以下の手順を踏みます。

  1. Dockerfileを作成します。
FROM node:18-alpine

WORKDIR /app
RUN npm install -g @upstash/context7-mcp
CMD ["context7-mcp"]
  1. Dockerイメージをビルドします。
docker build -t context7-mcp .
  1. MCPクライアントの設定を更新します。

2.5 環境変数

次の環境変数を設定することで、ドキュメント取得の際の最小トークン数を調整できます。

{
  "mcpServers": {
    "context7": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@upstash/context7-mcp"],
      "env": {
        "DEFAULT_MINIMUM_TOKENS": "10000"
      }
    }
  }
}

3. 簡単な使い方

Context7 MCPを使用するには、プロンプトにuse context7を追加することで、最新のコード例やドキュメントを取得できます。例えば、Next.jsプロジェクトを作成する場合、次のように入力します。

Create a basic Next.js project with app router. use context7

また、PostgreSQLの資格情報を使用して特定の行を削除するスクリプトを作成する場合は、次のようにします。

Create a script to delete the rows where the city is "" given PostgreSQL credentials. use context7

これにより、Context7が最新のコード例とドキュメントを取得し、LLMのコンテキストに反映します。

結論

Context7 MCPは、最新のライブラリに基づいたドキュメントとコード例を迅速に取得できる強力なツールです。従来の古い情報に頼ることなく、効率的かつ正確にプログラミングを行うためのサポートを提供します。このツールを活用することで、開発者はより生産的な環境を実現できるでしょう。