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親父へ

夜中におふくろから電話をもらって、他界したことを聞いたよ。
長い間、たくさん働いたんだから、ゆっくりと、休んでね。
 
1967年10月に親父の子供として生まれてから、今日、2018年11月30日まで、ずっと父親でいてくれてありがとう。
 
今日、会社の重要な会議の日だったから、夜中ではあったものの、少し体を休めて資料を書こうとしていたところだったんだよね。
たまたまだけれども、おふくろと電話で話せて良かったよ。
 
今親父との人生を振り返ってみると、親父が若かったこともあって、理想論をたたき込んでもらっていたから、お互い頑固で、なかなかうまくやりとりができないこともあったね。
ここ20年くらいは、大企業の新規事業というものに、私の人生をかけているものだから、全然、親父と話ができなくて、申し訳なかったね。
きっと、厳しく、仕事に取り組むことで、いつか喜んでもらえると思って、私なりの理想を掲げて、取り組んできたよ。
やれることは全部やっているし、たくさんの人にも助けてもらいながら、やらせてもらっているよ。
 
それでもね、悩まないかと言えば、嘘になるんだよね。
親父にさみしい思いをさせて、本当に良かったのかとも思うけれども、ここで立ち止まっても、何も残らないから、このまま突き進むからね。
きっと親父は、喜んでくれるだろうと思っているけれども、もしそうじゃなかったら、ごめん。
 
もしかしたら、他界したことをこんなふうにブログに書くのも、怒られちゃうかもしれないけども、あのね、親父。これが私の住んでる世界なんだよね。ごめんね。
 
あのさ、親父。親父を超えられるように、親父からもらった命、使い切るからね。
 
これからさき、何年か、何十年か、経ったときに、そっちで会えると思うんだけども、そのときには、美味い飯でも食おうよ。
そんな日がいつかは来るだろうから、それを楽しみにしておくよ。
 
親父、たくさん親不孝をさせてくれて、ありがとう。それから、本当にごめん。
 
2018年11月30日
田中 秀樹