目次
背景
2022年となりました。あけましておめでとうございます。
2016年創業のエルブズは、今年で6年目に突入したことになります。6年も経つと、社内外のさまざまな方々とコミュニケーションもその方法が大きく変わってきました。とりわけコロナ禍で大企業や官公庁の方の働き方が変ったことで、コミュニケーションが変わりました。
具体的には、2年ほど前から、SlackやTrelloを社外の方と共有することも多くなりました。また現在進めているインターンシップでも、Slack、Trelloを使ってやりとりをしています。
ところが、このSlackやTrello。「導入」することそのものは、簡単なのですが、使いこなしということになると、随分と困っている方が多いことが最近になってわかりました。
- Slackに全然発言がない
- Trelloをチーム全員が見ていない
などが困りごとと思いますが、こちら究極的には
ルールがあるの?
というところに集約するかと思います。実際に、どういうルールで運用しているかはよく質問をされることがあります。
私たちも、次年度からは新卒・中途採用を強化しようと思っていましたので、そのルール、特にTrelloでのルール「カンバン」について、まとめてみようと思います。
カンバンってなに?
カンバンというと、私の場合「トヨタ自動車さんが開発したチームでの情報共有の手法でしょ?」と最初に思いました。これは、これで正しくて、トヨタ自動車さんが開発されたジャストインタイムという生産方式のことを指します。
これはこれで大切なのですが、こちらの方式を参考に、ソフトウェアの開発において、同様の取り組みが、カンバンと呼ばれています。
その発祥ですとか、理論は、上記をぜひご一読いただきたくなのですが、私が人に説明する時には、
タスク管理の方法です
と伝えています。
これからやる仕事を覚えておくのって大変ですよね?だから、それを書いておきましょう。終わった仕事を終わったと記録しましょう。それがカンバン方式です。
田中秀樹談(笑)
と説明します。
エルブズのカンバン方式
正式なカンバン方式とは何が正しいのか、ということは、私自身もよくわかっていませんので、ここでは、当社エルブズのカンバン方式をご紹介します。
実は、エルブズのカンバン方式は、二つ存在します。一つが、社内向け、もう一つが社外向けです。
カンバン方式 社内向け
社内向けは、基本的には開発に適したものになっています。もっとも当社の場合、ほとんどの方が開発経験者なので、ちょっと特殊なのかもしれません。
カンバン方式 社内向けのルールは、下記の通りです。
- リストは、バックログ、To doまたはDoing、Done、Rat holeの4つ
- バックログ:行うべきことを全部かく
- To doまたはDoing:いまやるべきことまたはやっていることを書く。ここにあるタスクは基本的にすべてやり切って帰る
- Done:完了したタスク
- Rat hole:いま、解決できない問題や、行うべきではないタスク
- ルールを厳格に守るよりも、毎日使うことを中心に据える
この程度です。Rat holeは、以前とある方から「Rat holeというのは汚いものを置いて置く場所というイメージがある。お客さまに関連するタスクもあるのに、そういう扱いをするのは受け入れられない」と言われ別の名称を付けたこともあります。私自身、本質はそこにはないかなと思いますし、そもそもお客さまにご覧いただくようなものではないバックヤードのお話ですので、Rat holeという名称のままにしていることが多いです。
で、実際にはこんな感じです。
2016年創業以来、ほぼ同じ方法で運用を続けています。
カンバン方式 社外向け
カンバン方式 社外向けは、2020年頃に、徐々に外部の方とのやりとりが多くなってきたため、月次で管理できるようにしたルールです。
カンバン方式 社外向けのルールは、下記の通りです。
- リストは、月次で行うこと、月次ごとのリスト、完了したことがひとめでわかる区切りです。
- 月次で行うこと:外部の方とのやりとりでは、提携業務が多くなることがわかりまして、月次で行うことをまとめて書いています
- 月次ごとのリスト:月次単位にリストを用意します。
- 完了したことがひとめでわかる区切り:完了したことがわかればなんでもいいのですが、私はリストを流用して用意しています
- こちらも、ルールを厳格に守るよりも、毎日使うことを中心に据える
実際には、こんな感じです。
上記は、主として税理士の先生とのやりとりですが、メールでのやりとりがほぼなくなり、非常に効率がいいです。
やらないこと
当社内では、便利に使っているカンバン方式ですが、やらないこと、注意している点もあります。
やらないこと
やらないこと、は、やらないことというよりも、やることに近いかもしれません。Trelloのバックログに入っていないことは、日々の作業で行わない、を徹底しています。
とにかくカンバンを使う、使い続ける、それがやるべきことであり、カンバンに入っていないことはやらない、それが大切なことだったりします。
注意している点
カンバンは、基本的にチームのために使うものです。カンバンも、リストも、すべてチーム、すなわちみんなのものです。
みんなのものですから、一人だけで手前がってにぐちゃぐちゃとたくさん書くのは、No Goodです。誰もそれを注意することはしませんが、よくありません。
実際に、当社でも、バックログや、To Do/Doingに大量のタスクを入れてしまう人がいました。まるでゴミ箱みたいなリストになってしまって、その人しか使えないリストになってしまいました。
ここらへんは、言ってみればマナーに近いのですが、チーム全体で同じスペースを使っていることを注意するようにしています。
気がつかない人には、不本意ながら私が注意することになります。。。
カンバンの改善
カンバンは、とても便利なのですが、普遍的なものにするため、逐次成長をすることが望ましいと考えています。それを実現する方法は、たった一つ
他の良いカンバンを見つけたら真似てみる!
です。チームメンバやタイミング、業務内容によって、カンバンの使い方は大きくかわります。ですので、柔軟に柔軟に、他のチームのいいところもガンガン取り入れながら、成長をするカンバンを実現することがもっとも大切です。
で、最後になんですが、カンバンを使いこなすために、あまりがんばりすぎないこともこころがけています。やりすぎは、結果的に、良い形につながりません。
以上、当社エルブズのカンバンについて、ルールを書いてみました。楽しく使い続けることで、エクセルも不要ですし、排他制御もいらないし、Trelloを使えば付箋紙もスペースも不要なので、ローコストで便利に使えます。
Trello以外にも、JiraやTeams/Plannerなどでも同様のことができますので、ネット上でのサービスを使ったカンバン、是非取り入れてみてください。おすすめです。
【追記】本
カンバンを調べた時の本です。