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大学一年目の総額費用
Facebookに、以下のような書き込みをしたんですね。
上記にも書きましたが、当時は、年間25万円くらいが国立大学の学費で、なんとか苦学生にも支払えるぎりぎりの金額だったんですね。それが現在は、50万円くらい。検定料、入学金、授業料の3つを足し合わせたものを一年目に必要な費用総額として、私立大学との比較のグラフを作ってみました。私立大学にあわせて国立大学も費用総額を緩やかに値上げしているようでした。
国立大学の役割と地方創生
ご存じの方も多いかと思いますが、文部科学省は、大学を3つに分類しています。
- 地域貢献と専門分野強化の教育研究
主として地域に貢献する取り組みとともに、専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色のある分野で世界・全国的な教育研究をする取り組みを中核とする国立大学 - 専門分野強化と世界的的教育研究
主として専門分野の特性に配慮しつつ、強み・特色ある分野で地域というより、世界・全国的な教育研究を推進する取り組みを中核とする大学 - 卓越した成果を創出している海外大学と相対する教育研究
主として卓越した成果を創出している海外大学と伍(ご)して、全学的に卓越した教育研究、社会実装を推進する取り組みを中核とする大学
3番目が東大、京大など国立大学のトップクラスなのですが、1番目が全国の地域ごとに存在する地方の国立大学ということになります。「地域に貢献する取り組み」という文言をそのまま素直に読めば、国立大学も地方創生に一役かってもいいように思えます。大学の先生方も、おそらくそのように考えているのではないだろうかと思っています。
ところが、実際にはそういう風にはなっていないのではないでしょうか。私自身、北海道大学や大阪大学などで、講義を少しさせていただいたこともあるのですけれども、大都市圏の国立大学であっても、大学のある地域に就職をする学生が少なくなっているように感じたことを記憶しています。特に北海道大学の大学院生の授業を担当していた際には、40名ほどいた学生のうち、そのほとんどが東京の会社に就職することを希望していたことを強く記憶しています。当時の私としては、北海道大学の学生には、特に札幌という地域に就職して、地域を盛り上げて欲しいなと思っていたものですから、少々残念にも感じました。
その理由を少し考えてみると、コンビニエンスストア、レストランチェーンなどが広く普及したため、生活の費用も東京と対してかわらないこと、大学の学費に関しても、本ドキュメントのアイキャッチ画像のように、ほぼ全国一律なので東京の大学とかわららないことなどから、「どうせなら稼げる東京の会社に」となっているのではないかと感じました。
卒業生が地域の企業に就職することが地方創生になる
地方創生ってなんだろう?と考えた時に、人材育成と人材のその地域への定着が、一番大切なのではないかと思うのです。国立大学は、人材育成をしているわけですから、重要なことは、人材がその地域に定着してもらうには、どうしたらよいか、という話になってくるはずです。
一部の医学部では、地域に貢献することを条件に奨学金などを出しているようなのですが、学費の負担が大きくなった今だからこそ、広域自治体や基礎自治体が中心となって、地域の国立大学をはじめとした優秀な学生の皆さんに、奨学金を出しても良いのではないかと思うわけです。自治体の奨学金はあるよ!という方もいますが、貸し付けであったり、その自治体に住民票が必要だったり、学生からするとあまり使い勝手が良いようには見えません。
下手をすると、若い学生を安く買い叩くような経営者や、ボランティアという名のもとタダ働き強要する組織もあるかもしれません。
子供は社会の宝とも言われます。大学を卒業する若い力に、地域に定着してもらえるよう、少しの努力をすると良いのではないかと思うのです。
最後に宣伝めいたことを書きますが、当社エルブズでは、IT、とくにAI、FinTechの二つの技術をキーにした人材育成を通じて、地方創生を実現させたいと考えています。
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