[OSS紹介#49] MCP Advisor:AIアシスタントがMCPサーバーを簡単に探索するツール

この記事について

このブログシリーズでは、注目すべきオープンソースソフトウェア(OSS)を定期的に紹介していきます。連載第49回となる今回は、AIアシスタントがModel Context Protocol(MCP)サーバーを探索し、適切なサービスを見つける手助けをする「MCP Advisor」に焦点を当てます。

近年、AI技術の進展により、多様なデータを扱うための新しい方法やツールが次々と登場しています。しかし、特定のタスクに最適なツールを見つけ出すことは、依然として挑戦的です。MCP Advisorは、自然言語によるクエリを用いて、ユーザーが必要とするMCPサービスを簡単に発見できる機能を提供します。これにより、AI開発者やリサーチャーは、より効率的に作業を進めやすくなります。MCP Advisorの導入により、ユーザーは膨大な情報の中から即座に必要なツールを見つけ出し、プロジェクトの生産性を大幅に向上させることが期待されます。

リンク:https://github.com/istarwyh/mcpadvisor


本コンテンツは、弊社AI開発ツール「IXV」を用いたOSSツール紹介です。情報の正確性には努めておりますが、内容に誤りが含まれる可能性がございますのでご了承ください。

1. MCP Advisorでできること

MCP Advisorは、AIアシスタントが自然言語クエリを使用してModel Context Protocol(MCP)サーバーを探索し、推奨するための発見サービスです。主な機能は以下の通りです。

  • 自然言語検索:会話形式のクエリを使用してMCPサービスを探索
  • 豊富なメタデータ:各サービスに関する詳細情報を提供
  • リアルタイム更新:最新のMCPサービスと常に同期
  • 簡単な統合:MCP互換のAIアシスタント向けのシンプルな設定
  • ハイブリッド検索エンジン:ベクター検索とテキストマッチングを統合した高度な検索機能
  • 複数プロバイダーサポート:複数の検索プロバイダーを並行して実行

MCP Advisorは、特に自然言語処理、金融データ分析、Eコマース推奨エンジンの構築において役立ちます。また、画像認識機能を持つMCPサーバーの検出が可能です。

2. セットアップ手順

MCP Advisorのセットアップは、以下の手順に従って行います。まず、動作環境としてNode.jsが必要です。MCP AdvisorはMITライセンスのもとで提供されています。

2.1 インストール

最も簡単な方法は、MCP設定を通じてMCP Advisorを統合することです。以下の設定をAIアシスタントのMCP設定ファイルに追加します。

{
  "mcpServers": {
    "mcpadvisor": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@xiaohui-wang/mcpadvisor"]
    }
  }
}

設定ファイルの場所は以下の通りです。

  • MacOS/Linux: ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json
  • Windows: %AppData%\Claude\claude_desktop_config.json

追加のインストール方法については、インストールガイドを参照してください。npmを用いてもインストール可能です。

npmでインストール

npm install

3. 簡単な使い方

MCP Advisorを使用してMCPサーバーを検索するのは簡単です。以下は、基本的な使用例です。

3.1 検索の実行

まず、SearchServiceをインポートし、初期化します。

import { SearchService } from '@xiaohui-wang/mcpadvisor';

// 検索サービスを初期化
const searchService = new SearchService();

// MCPサーバーを検索
const results = await searchService.search('ベクターデータベース統合');
console.log(results);

ここで、searchメソッドに渡すクエリは自然言語で記述できます。たとえば、「自然言語処理用のMCPサーバーを探して」といった具合です。

3.2 例としてのクエリ

いくつかの例として、以下のようなクエリを利用できます。

  • 「金融データ分析用のMCPサーバー」
  • 「画像認識機能を持つMCPサーバー」
  • 「Eコマース推奨エンジンのMCPサーバー」

これにより、MCP Advisorは関連するサーバーの情報を返します。実際に利用できるサーバーとして、DeepChatやBlenderなどがあり、それぞれが異なる機能を持っています。

3.3 返答の例

以下は、MCP Advisor によるクエリに対する返答の例です。

[
  {
    "title": "NLP Toolkit",
    "description": "包括的な自然言語処理ツールキットで、感情分析やエンティティ認識、テキスト要約機能を備えています。",
    "github_url": "https://github.com/example/nlp-toolkit",
    "similarity": 0.92
  },
  {
    "title": "Text Processor",
    "description": "多言語サポートを持つ効率的なテキスト処理MCPサーバー。",
    "github_url": "https://github.com/example/text-processor",
    "similarity": 0.85
  }
]

4. 結論

MCP Advisorは、AIアシスタントがMCPサーバーを簡単に発見し、利用できるようにする強力なツールです。その自然言語検索機能や豊富なメタデータ、リアルタイムの更新機能により、ユーザーは必要な情報を迅速に得ることができます。セットアップもシンプルで、すぐに利用を開始できるため、MCPに関心のある開発者やデータサイエンティストにとって非常に便利な選択肢と言えるでしょう。MCP Advisorを活用することで、さまざまな場面でのデータ利活用がより一層推進されることが期待されます。